Review

-Beth Accomand ベス・アコマンド
(米国KPBS-FM 映画評論家)

番組司会者:メル・ギブソンの「The Passion of the Christ」はボックス・オフィスの記録を打ち立てた。だが、宗教映画を作ったのは何もメル・ギブソンひとりではない。KPBSの映画評論家ベス・アコマンドに若い男のスピリチュアルの旅の新しい映画を紹介してもらった。

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ジェイムズはエルサレムに辿りつくという使命をもった若いアフリカ人。

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ジェイムズ:僕の名前はジェイムズ、僕の村の次期牧師になります。
牧師:そう、牧師ですか。なぜここへやって来ましたか。
ジェイムズ:神から試されているからです。
牧師:あなたは正直で善い人ですから神があなたの旅路をたすけ導 いてくれるでしょう。

ところが新しい映画「ジェイムズ聖地へ行く」では神のいたずらか話はあらぬ方向へ。例えば最初に、神は誠実でがんばり屋のジェイムズをベン・グリオン空港で、イスラエルに不法入国したという疑いで入国審査官に逮捕させてしまう。ジェイムズは刑務所に入れられるが労働請負い業者のシミに引き取られる。シミは実質的にジェイムズを年季奉公という奴隷にしてしまう。彼はその若い青年のパスポートを取り上げ、その「借金」をほんの僅かな賃金で働かせて返すよう義務づけた。はじめのうち、愛想のいい純朴なジェイムズはその新しい環境には容易に馴染むことができなかった。
しかしながらジェイムズはこの資本主義のブラック・マーケットの仕組みを覚え、"frayer" (英語で"sucker")、搾取される人になる事は危険だということを学ぶようになる。

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ジェイムズ:フライヤーになるな。人に働かせて金を作るんだ

やがて牧師志願だったのが自分のボスとライバルのディール・メーカーとなり、シミに隠れてお客もどんどん集まってくるようになる。

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携帯の鳴る音

これまで持ったことのないくらいお金を稼ぐようになるにつれ、ジェイムズは本来の使命を忘れがちになる。
だんだん周りの人たちから何かを欲しがられることに。地元の牧師でさえジェイムズにたかろうとするようになった。

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牧師:神に愛を伝えるすべを見つけなさい、そうすれば許されるであろう。そこでジェイムズ、お願いがあるのだが。我々の聖歌隊の子女達に服が必要なのだが、そういう大義のための寄付といえばきみが最適だと思うのだが。

監督ラアナン・アレクサンドロヴィッチは「ジェイムズ聖地へ行く」を躍動感のある皮肉な作品に仕上げた。そのお陰でこの映画は裏悲しい題材にもかかわらずさほど冷酷な感じはしない。凄まじい第三世界の移民の現状を取り上げたこの記録は威圧的ではあるが決して説教がましくない。また、ジェイムズ役のシアボンガ・シブの演技も明るく、彼のまぶしい笑顔で映画全体が活き活きしている。

つまり、「ジェイムズ聖地へ行く」はひとりの男のスピリチュアルな旅をフレッシュで鮮明な作品に仕上げたといえる。