Review

-Peter Barakan ピーター・バラカン(ブロードキャスター)

人を搾取せずに生きて行く方法はあるのか。聖地エルサレムを目指す若いズールー人ジェイムズの姿を通してそんな永遠の課題を鋭く、またユーモラスに扱ったこの映画は必見です。

南アフリカの小さな村からエルサレムまでの巡礼の旅は前途多難です。「約束の地」に集まる人々は様々な民族の出身で、様々な文化、宗教、価値観を持っていますが、それぞれに人を利用する人も、人に利用される人も(ヘブライ語でいう「フライヤー」、この映画の鍵を握る言葉です)いるのです。ジェイムズは果たして魂を売らずに聖地にたどり着くか、おそらく観る人は誰でも自分の生き方を振り返らずにはいられないでしょう。ジェイムズを演じるSiyabonga Melongisi Shibeをはじめ、現実味あふれる出演陣のおかげで、メッセージ性の強い作品であると同時に大変楽しい映画でもあります。