Review
-Variety ヴァラエティ誌
カンヌで試写された多くの作品がダークで怒りに満ちていたのに対し、純朴な季節労働者の目を通してみた現代のイスラエル社会のある部分が皮肉たっぷりに映し出されている、シンプルで魅力的な
「James'Journey to Jerusalem」といった作品に出会えるのはごく稀だ。
子供っぽいタイトルにふさわしく、このドキュメーカー、ラアナン・アレクサンドロヴィッチ初の長編作には観客を楽しませると同時により深刻な、教訓映画に劣らないくらい辛辣なパンチをくらわせている寓話的な要素が含まれている。
約束の地で、今の時代の現実へとジェイムズは目覚めてゆく。クリスチャンとしての基本に固執しつつ、ジェイムズは彼を信用するようになったシミにも知られずにこっそりビジネスをするようになる。
ところが、聖なるシオンにおいてさえも金持ちのユダヤ人と貧しい移民の違法労働者とは全く違う法律が存在するという厳しい現実を、彼は身を以て体験する羽目になる。どれだけお金があっても、彼には社会の閉ざされた場所へ踏み入ることはできない。
苦々しい、暴力的な映画にするための材料はふんだんにあるものの、アレクサンドロヴィッチは明らかに、風刺は悪と同じくパワフルだと考えたのだった。彼の脚本は最後までずっと楽観的な考えを失うことのない(映画の結末はシンプルかつ感動的)若いジェイムズを演じたシブの素晴らしい演技によって展開されていく。(省略)
実際にはアラブ人の役者、ダウの頑固で嗅覚の鋭い残忍なイスラエル人も同じように説得力がある。ジェイムズのような安い労働力を搾取して成り立っているイスラエルの裕福な金持ち階級を扱うのはどんな映画でもたやすいことだが、極端に走らずやり過ぎないところは、アレクサンドロヴィッチの手腕によるところが大きい。
哀れなイスラエル人という役にたやすく逃げようとしていないアリー・エリアスの演技も素晴らしい。DVで撮影した作品にしては35ミリの大きなスクリーンで見ることができる。アレクサンドロウィッツには特にシネマ的なスタイルはないものの、90分間飽きさせることなく見ることができる。
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