Review
-矢崎 由紀子
(月刊プレイボーイ8月号)
ジェイムズ(シアボンガ・シブ)は、アフリカの農村からエルサレムへ、巡礼の旅にやって来た敬虔なクリスチャンの青年。イスラエルの入国審査で不法労働者と間違えられた彼は、送り込まれた留置場でブローカーに拾われ、外国人労働者の共同部屋で暮らすことになる。
その苦境の中でも、エルサレムへ行く夢を見続けたジェイムズだったが、生来の利発さを発揮して仕事の要領を覚えていくにつれ、いつしか彼は、もぐりのブローカーへと変貌を遂げていく。
宗教の道を極めるつもりで出かけたイスラエルで、金儲けの道を極めてしまった青年の人生の皮肉を、地上げ、独居老人問題といった社会問題をからめて描いたイスラエル製コメディの佳作。
ジェイムズがブローカーとして成功をおさめるやいなや、彼の純朴さを愛でていた教会が、たかりモードに方針を転じていくエピソードがケッサクだ。 |