青年ジェイムズが聖なる地、エルサレムへの巡礼で遭遇したものは?
敬虔なクリスチャンで、純真無垢な心の青年ジェイムズはアフリカの村出身。村の次の牧師に任命されたジェイムズは聖なる地、エルサレムへと巡礼の旅に出かける。イスラエルの空港に着いた途端、入国審査で不法労働者と間違えられパスポートを押収されて留置場へ放り込まれてしまう。ある人に助け出されたのは良かったが、身に覚えのない保釈金の借金を負わされ 働かされるハメに。薄暗い共同部屋に住む事になった彼は、朝から晩まであちこちへ駆り出され掃除をして回る。これも神に試されているに違いないと固く信じて真摯に働くうち、世話をしているボスの父親に気に入られ、その老人の助言から金儲け主義のルールを理解していく。ルールに目覚めたジェイムズにはどんどん仕事が入ってきて、やがて地元の教会では有力者となって皆の尊敬を勝ち得るまでに。搾取する側、される側。果たして彼は約束の地、エルサレムにたどり着けるだろうか………。
[解説]
エルサレムは3大宗教、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の聖地であり、世界から毎年約200万人以上の巡礼者、観光客が訪れている。1948年に建国されたイスラエルは地中海に面し、回りはエジプト、ヨルダン、シリア、レバノンに囲まれ、ヨーロッパとアジアとアフリカの接点となっている。
日本の戦後復興と時期を近くしてか、映画にでてくる居住用アパートがかなり日本に似ている事に気づくだろう。人口は約700万人、国内の宗教構成としてはユダヤ教約80%、イスラム教17%、キリスト教2%の割合らしい。もともと歴史的にユダヤ人は土地を持てなかった事から、処世術が磨かれてきた。その一つが誰もがイメージする彼らの金銭感覚といえる。この映画はイスラエルのそのような社会的背景を見せながら、ジェイムズを通してスピリチャルな精神世界を対比させている。映画が進むにつれ、そこに資本主義とモラルという普遍のテーマを発見し、同時にそれは世界共通であろう事に気づいていく。映画ではまた家族の土地問題も扱われ、日本の土地バブルを思い起こさずにはいられない。そして最後には映画に描かれる全てが、とても私たちと似ている事に気づく。この気づきをしっかりと観る者に伝えるためにジェイムズが存在する。ジェイムズと一緒にスピリチャルな旅をする映画 。 |